モノが彩られることで、人はなぜか幸せな気持ちになれる。色は無限であり、それをカタチにする印刷という技術には、生活を豊かにする無限の可能性があると信じ、私たちは1985年、北陸美術印刷株式会社として誕生しました。当時の社員数はわずか5人でしたが、そんな小さな会社でも、創業当初から大切にしてきた志があります。
それは、“私たちにしか出来ないことを探求する”こと。そのために、日々進歩する世界の技術革新にいち早く対応し、機械やインクの特性などを研究しながら試行錯誤を重ねることで、不可能を現実に変えてきました。その一つが、1990年代に若者たちの間で広まったポケベルブームや企業のノベルティ需要などによって、急速に普及したテレホンカードの制作です。販売当初、国内では単色で簡単なデザインのカードが主流でしたが、機械の改良や金箔への印刷技術などを構築したことにより、多色で複雑なまるで写真のようなデザインを数十枚単位でも安価にプリントすることを可能にしました。大好きなタレントのカードを買い集める高校生や、名刺代わりにテレホンカードを渡すサラリーマンらの姿を目にした時、印刷にはモノに付加価値を与え、人々のライフスタイルすら変えられる力があることを確信しました。
印刷で生活を豊かにしたい。創業当初から抱いていたこの思いは、ホクビの経営理念として、今も私たちの心の中に息づいています。そして、そのミッションを実現するために、印刷のアイデア創造企業を目指してきました。つまり、印刷という無限の力によって、新しい発想をカタチに変えていく企業になる、ということ。創業時の北陸美術印刷という社名に、視覚芸術や造形芸術を意味する“美術”という文字を加えたのも、私たちが造り出す商品やサービスが人の心を動かすものでありたいという願いからでした。
テレホンカードのオリジナル印刷で1つの願いを叶えた私たちは、受注の増加に対応すべく生産体制を大きくシフトしましたが、1990年代後半の携帯電話の普及によってテレホンカードの需要が急速に減少し、創業以来最大のピンチを迎えます。ただ、その危機を救ったのも、アイデアと、それをカタチに変える技術でした。使用頻度が少なくなったテレホンカード用の印刷機を活用するため、カードと大きさや形が似ている診察券に着目。印刷した紙を硬化させる工夫を機械に実装し、軽量で傷みにくい診察券を少ない枚数でも安価に作れる仕組みを築きました。プラスチック製の診察券と同等の耐久性がありながら、鉛筆で次の診察日を自由に書き込めると評判が広がり、今では5万施設以上の医療機関で利用されています。
こうして、2000年に医療分野に参入した私たちが、歯科医院向けの商品開発を手掛ける中で、特に力を注いできたのが歯ブラシです。毎朝、誰もが使うものだからこそ、機能性の高い歯ブラシにデザインという付加価値を与えることによって、歯磨きを楽しいものに変えられるのではないかと考えたからです。そこで、2008年に社名をホクビに変更し、一般市場向けのPB商品の開発をスタートさせました。人間工学に基づいた持ちやすく磨きやすい、清潔感のある透明なハンドルを採用。特殊印刷で培ってきたノウハウを結集し、歯ブラシの背面に表裏で違うデザインを施せる“鏡面印刷”の技術を考案し、特許を取得しました。
そして、北陸新幹線が開業した2015年、金沢駅前にショールームを構え、PB商品の販売を開始。翌年には、赤ちゃんに歯磨きを好きになってほしいという思いから、全く新しいデザインのベビー用歯ブラシ「HAMICO」を発売し、商品開発から製造、販売までを一貫して行う歯ブラシメーカーへと生まれ変わりました。私たちがここまで成長できたのは、常に商品を手に取る人たちの笑顔を想像し、モノづくりへの情熱を燃やし続けたこと。そして、そんな私たちの可能性に期待をかけてくれた皆さまのお陰です。
ホクビのモノづくりは、そこに関わる人や環境、自然によって支えられ、そのすべてが豊かであり続けることに意味があると考えています。こうした理念に基づき、私たちは地球上の豊かな自然環境を守っていくため、2019年にFSC®森林認証を取得し、木や森を絶やすことなく、未来へ残していくための商品開発に取り組んでいます。そして、その活動の中で生まれたのが、紙ストロー事業です。適切に管理された森林で伐採される木材からのみ作られる医療用の紙を加工し、独自の印刷技術によって耐久性が高く、安全でおしゃれなストローを作り上げました。ホクビはこうした他には真似の出来ない独創的な思考によって、これからもチャレンジを続け、社会に必要とされるオリジナルな存在でありたいと考えています。
こうして、2000年に医療分野に参入した私たちが、歯科医院向けの商品開発を手掛ける中で、特に力を注いできたのが歯ブラシです。毎朝、誰もが使うものだからこそ、機能性の高い歯ブラシにデザインという付加価値を与えることによって、歯磨きを楽しいものに変えられるのではないかと考えたからです。そこで、2008年に社名をホクビに変更し、一般市場向けのPB商品の開発をスタートさせました。人間工学に基づいた持ちやすく磨きやすい、清潔感のある透明なハンドルを採用。特殊印刷で培ってきたノウハウを結集し、歯ブラシの背面に表裏で違うデザインを施せる“鏡面印刷”の技術を考案し、特許を取得しました。
そして、北陸新幹線が開業した2015年、金沢駅前にショールームを構え、PB商品の販売を開始。翌年には、赤ちゃんに歯磨きを好きになってほしいという思いから、全く新しいデザインのベビー用歯ブラシ「HAMICO」を発売し、商品開発から製造、販売までを一貫して行う歯ブラシメーカーへと生まれ変わりました。私たちがここまで成長できたのは、常に商品を手に取る人たちの笑顔を想像し、モノづくりへの情熱を燃やし続けたこと。そして、そんな私たちの可能性に期待をかけてくれた皆さまのお陰です。
ホクビのモノづくりは、そこに関わる人や環境、自然によって支えられ、そのすべてが豊かであり続けることに意味があると考えています。こうした理念に基づき、私たちは地球上の豊かな自然環境を守っていくため、2019年にFSC®森林認証を取得し、木や森を絶やすことなく、未来へ残していくための商品開発に取り組んでいます。そして、その活動の中で生まれたのが、紙ストロー事業です。適切に管理された森林で伐採される木材からのみ作られる医療用の紙を加工し、独自の印刷技術によって耐久性が高く、安全でおしゃれなストローを作り上げました。ホクビはこうした他には真似の出来ない独創的な思考によって、これからもチャレンジを続け、社会に必要とされるオリジナルな存在でありたいと考えています。
日本は今、少子高齢化が進み、人口が減少し続けています。国内の市場規模が縮小し、中小・小規模事業者が厳しい立場に置かれる中、私たちは2015年、開発した歯ブラシで海外市場にチャレンジすることにしました。もちろん、すべてが未知の世界です。まず、世界最大の市場規模を誇り、価格や機能、デザインに対しても世界一シビアなアメリカ市場に挑戦すると決め、マーケティング調査を開始しました。
アメリカで成功すれば、その後の世界展開も難しくないのでは、という期待もありました。現地の展示会に参加してバイヤーの反応を商品にフィードバックしたり、パートナー企業と連携して販売戦略を考えたり…。アメリカは高額な医療費の影響によって、国民の予防歯科への意識が高いこともあり、機能性とデザイン性を兼ね備えたMade in Japanのホクビの歯ブラシは好調な滑り出しで市場に受け入れられていきました。国際エミー賞のVIPギフトに選ばれ、現地メディアで大きく取り上げられるなどの反響もあり、いまでは輸出先は海外20か国にまで拡大しています。
しかし、海外展開を通して実感したことは、専門知識が必要な上、手続きが煩雑すぎるということ。これをIT技術によって、誰でも簡単に輸出できる仕組みを構築したいと考え、これまでの失敗とそこから得た知識をもとに、輸出支援型の受発注システム「8click販売管理」を開発し運用を開始しました。海外20か国との貿易を、英語が堪能ではない入社3年目の女性社員がたった1人でこなす姿を見て、このシステムには業務の効率化以上の付加価値と、人々のライフスタイルを変えられる力があると感じています。今後はシステムに改良を加え、私たちと同じように自社の商品に自信を持っていながら、人材や知識不足が大きな壁となり、海外に打って出られない全国の中小・小規模製造事業者をサポートし、日本のモノづくり産業と輸出産業を元気にしたいと考えています。